DX(デジタル・トランスフォーメーション)という用語は、本当に普及しました。
最初に目にした頃は、トランスフォーメーションの略に「X」を使うのがピンと来ず、DXが何の略かを思い出せない事もありました。
しかし、今ではそれを懐かしく思い出すほどです。
そして、最近、DX以外にも「○X」という用語を目にするようになりました。
もちろん、「X」はDXと同じようにトランスフォーメーションの略であり、○Xは「○○○・トランスフォーメーション」の略、という事になります。
ただ、まだ普及していない用語も多く(今後、定着するかどうかも怪しいのですが)、○Xと言われても、なんの略だったか、すぐには思い出せない事があります。
そこで、今日は「○X」について、まとめてみる事にしました。
皆さまは、いくつご存じでしょうか。
クイズのつもりで楽しみながらお読み頂ければ、と思います。
※原則、新聞に載った事がある用語のみをまとめています。
※SX(サステナビリティー・トランスフォーメーション)を追記(2021/9/3更新)
- (基本)DX(デジタル・トランスフォーメーション)
- GX(グリーン・トランスフォーメーション)
- SX(サステナビリティー・トランスフォーメーション)
- EX(エネルギー・トランスフォーメーション)
- CX(コーポレート・トランスフォーメーション)
- QX(クオンタム・トランスフォーメーション)
- PX(ポートフォリオ・トランスフォーメーション)
- (番外編)組織や役職でのトランスフォーメーション
(基本)DX(デジタル・トランスフォーメーション)
今さら説明する必要もないと思いますが、DXは「デジタル・トランスフォーメーション(Digital transformation)」の略です。
デジタルトランスフォーメーションは様々に定義されますが、「IT技術を活用したビジネス上の変革」といった意味が含まれている事は共通しています。
ちなみに、トランスフォーメーションがXと略されるのは、英語圏でトランス(Trans)をXと略す事がある為です。
GX(グリーン・トランスフォーメーション)
GXは「グリーン・トランスフォーメーション(Green transformation)」の略です。
二酸化炭素など温室効果ガスを出さないような体制への転換を指します。
温室効果ガスの排出が多い業界にとっては、この問題への対応は非常に大きな問題ですし、企業の根幹に関わる意思決定が必要になる事もあるでしょう。
「変革(transformation)」という用語に相応しいテーマかもしれません。
なお、日本語では「緑転」などと表記される事もあるようです。
SX(サステナビリティー・トランスフォーメーション)
SXは「サステナビリティー・トランスフォーメーション(Sustainability transformation)」の略です。
企業の「成長」と「社会的な課題への対応」の両立を目指す、という概念です。
経済産業省の「サステナブルな企業価値創造に向けた対話の実質化検討会」の資料において、この用語が使われています。
なお、「社会的な課題」との関係で使われる為、「SDGs」や「ESG」とセットで使われる事も多い用語です。
EX(エネルギー・トランスフォーメーション)
EXは「エネルギー・トランスフォーメーション(Energy transformation)」の略です。
温室効果ガスの削減に関連して、新たなエネルギー価値を創造する変革を指すようです。
主に、三菱商事が関連する案件で利用されているように思います。
CX(コーポレート・トランスフォーメーション)
CXは「コーポレート・トランスフォーメーション(Corporate transformation)」の略です。
「企業の変革(会社をつくり変える)」を指す用語。
旧産業再生機構COOの冨山和彦氏の著書に同名のものがあり、そこから広まった用語ではないかと思われます。
QX(クオンタム・トランスフォーメーション)
QXは「クオンタム・トランスフォーメーション(Quantum transformation)」の略です。
量子コンピューター(次世代のコンピューターと呼ばれ、注目されています)の量子技術による変革を指す用語。
量子コンピューターが実用化されると、生活にかなりの影響があると言われています。
PX(ポートフォリオ・トランスフォーメーション)
PXは「ポートフォリオ・トランスフォーメーション(Portfolio transformation)」の略。
事業ポートフォーリオの変革を指す用語。
いわゆる「事業の入れ替え」であり、目新しい概念ではないのですが、昨今は従来以上に事業ポートフォーリオをドラスティックに変革する事が求められているケースも多く、それを表す為に新しい用語を作って表現する、という事だと思われます。
(番外編)組織や役職でのトランスフォーメーション
その他、流行語である「トランスフォーメーション」という名前を組織(部署)や役職の名前に付ける例も多く目にするようになりました。
その中でも、特に気になったのが、「チーフ・デジタルトランスフォーメーション・オフィサー」という役職。
CEOやCOO、CFOなどと同じような役職として、「DXの担当」を作ったという事だと思われます。
大手だと、三菱UFJフィナンシャル・グループが「チーフ・デジタル・トランスフォーメーション・オフィサー」という役職を設けたと発表しています。
ただし、この役職の略称は「CDTO」だそうで、Xは付きません(他の企業では「CDO」と略すケースもあるようです)。
また、民間だけではなく地方自治体でも、この肩書きは採用されています。
具体的には、群馬県が「デジタル技術を活用した県政改革を推進する最高責任者」として、「チーフ・デジタル・トランスフォーメーション・オフィサー」という役職をつくっています。
ちなみに、この場合の役職の略称も「CDO」で、「X」は付きません。
以上、簡単にではありますが、DXから生まれたと思われる用語をまとめてみました。
皆さまは、いくつご存じだったでしょうか。