ビジネスコンサルティングの現場から

各種ビジネス・コンサルティングに携わる担当者が、日頃、「考えている事」や「気が付いた事」を不定期に発信します。

不動産投資は必ず失敗する?不動産投資が悪者になる理由とは!

不動産投資 失敗 理由

当社では投資について相談を受ける機会も多く、その中で、不動産投資が話題に上る事も珍しくありません。

しかし、不動産投資については、拒絶反応を起こされる方が一定数いらっしゃいます。

理由をお聞きしてみると、「不動産投資は必ず失敗する」や「不動産投資はやめておけ」などと説明しているメディアがあるそうで。

また、不動産投資を強引に勧める業者(営業マン)が存在し、おまけに、そのような営業マンの一部は、不動産投資を「必ず儲かる手段」であるかのような説明をして、売り込みをしているそうです。

そのような営業マンから強引な営業を受けた経験のある方の場合、不動産投資に良い印象をお持ちになっていらっしゃらないのは仕方がないようにも思います。

しかし、本来、不動産投資は、怪しい投資ではありません。

投資を考える人であれば、一つの投資先として検討して良い投資先です(リスクが無いと言っている訳ではありませんので、そこは正しくご理解下さい)。

そこで、別に不動産投資を強く勧める意図はないのですが、長年、FPとして投資に関するアドバイスを行ってきた立場として、「不動産投資についての正しい評価(不動産投資を、本来、どのように考えるべきなのか?)」について書いてみようと思いました。

「不動産投資は絶対に止めておいた方が良い」や「不動産投資は必ず失敗する」などと思われている方には、最後までお読み頂ければ幸いです。

不動産投資で成功する人はいないのか?

まず最初に、「不動産投資は必ず失敗する」と思っている方へ。

冷静に考えてみて頂ければ、それが間違いである事はお解り頂けるはずです。

不動産から安定した収入を得て生活されている方(または、生活費の足しにされている方)は実際に多くいらっしゃいます。

メディアでは、株式投資や流行の投機対象(暗号通貨など)で大儲けされた方が取り上げられる事が多いかもしれません。

しかし、広く見渡してみて頂ければ、皆さまのまわりにも、不動産収入が大きな収入源となっている方は多くいらっしゃるはずです(売買で大きな利益を出している方(企業)も少なからず存在します)。

不動産投資で成功されている方が取り上げられないのは、不動産投資で成功されている方は普通にいらっしゃる上、その収益が安定している事が多い為、取り上げても面白みがない、というだけの事です。

また、不動産投資で成功されている方は、ご自身の成功について、あまり自慢したがらない方が多い、という理由もあるかもしれません。

不動産投資で失敗する人はいないのか?

もっとも、不動産投資が必ずうまくいく訳では、もちろんありません。

これは、本来、当たり前の事なのですが、どうも、不動産投資を検討される方の中には、「不動産投資が投資である」という事を忘れてしまっている方がいらっしゃるように思います。

重要な事ですので強調しておきますが、不動産投資は「投資」の一種です。

「投資」という言葉からも解るように、リターン(利益)が得られる可能性がある一方、リスク(損失が発生する可能性)もあります。

これは投資である以上、当たり前の事です。

例えば、同じ投資の一種である「株式への投資」を検討される際に、「株価が下がって損失が出る」という可能性がある事は、投資される皆さまも良く理解されている事と思います。

不動産投資も、それと同じです。

リターン(利益)が得られる可能性がある一方、リスク(損失)もあります。

不動産投資について評価される場合には、その当たり前の事を、まず、ご理解頂きたいと思います。

不動産投資はリスクがあるから行わない方が良いのか?

では、リスクがある投資はしない方が良いのでしょうか。

もちろん、そんな単純な話でもありません。

一定のリスクがあったとしても、「投資はした方が良い」という考え方がある事は、皆さまも良くご存じの事でしょう。

投資を行った方が良い理由には様々なものがありますが、例えば、「老後の為には、自分でも運用を考えた方が良い」や「現金のまま資産を保有していると、資産が目減りしてしまう」などの理由が挙げられます。

そして、世の中には多くの投資先があり、それぞれ特徴があります。

投資をされる方は、その中から、ご自身に合った投資先を選ぶ事になります。

不動産投資も、この「投資先の一つ」として候補に入れ、適切に検討して頂ければ良いだけの事なのです。

そして、株式投資と一口にいってもハイリスクなものから低リスクなものまであるように、不動産投資においても、ハイリスクなものから低リスクなものまであります。

ですから、不動産投資と一括りにして評価する事自体に無理がある、とも言えるのです。

不動産投資だけに存在する誤解

重要な事なので、くどいようですが、もう少し説明を続けさせて下さい。

例えば、株式投資(個別株投資)を勧められた時に、

・だれでも株式投資で儲けられる

・どんな株を選んでも(買っても)必ず儲けられる(損はしない)

・どんな株でも、買った後は、ずっと持ち続けているだけで良い

などと言われたら、違和感を感じる人は多いはずです。

その他にも、株式投資(個別株投資)について、

・税金については無知でも問題ない

・証券会社は、どこを選んでも同じ

などと言われたら、それも違和感を感じる方が多いと思います。

その違和感は、感じて当然の感覚です。

しかし、不動産投資の話になると、この当たり前の事がピンと来ない(そして、必要な対応ができない)方が多いように思うのです。

そして、そのような状態で不動産投資を始めてしまって失敗し、後から「不動産投資は危ない」と結論付けてしまわれている方が少なくないように思うのです。

不動産投資ならではのメリット

ちなみに、不動産投資には、他の投資と比べて、いくつか優れている点があります。

例えば、一般的な不動産においては、他の多くの投資商品と比べて、「価格の変動が緩やかである」といった傾向があると考えられています(急激な価格の変動が全く発生しない訳ではありません)。

この為、不動産投資には、「忙しい社会人でも本業に支障をきたすことなく投資を行う事ができる」というメリットがある、と考える方もいらっしゃいます。

※多くの投資では、価格の変動が激しい為、投資を始めると、価格の変動が気になってしまい、仕事に支障をきたしてしまう方がいらっしゃるのです。

その他、「需要がわかりやすい」「相続税対策になる」といった点をメリットと感じる方もいらっしゃいます。

これらの理由から、他の投資先よりも不動産を好んで投資される方もいらっしゃるのです。

不動産投資をする人に最低限知っておいて頂きたい事

最後に、もう一度、繰り返しますが、不動産投資は、あくまで、投資の一種です。

特別視してはいけません。

株式投資と同じように、しっかりと投資対象を選ぶ必要がありますし、必要に応じ、買った後はメンテナンスを行う必要もあります。

業者の選択なども大切ですし、税制も把握しておくべきです。

もし、これらの事が「当たり前だ」と思えない方がいらっしゃいましたら、不動産投資はお避けになった方が良いでしょう。

逆に、これらの事を当たり前と認識する事ができ、また、必要な事を着実に実行する事が出来る方であれば、不動産投資を毛嫌いする必要はないように思います。

そして、多くの投資においてリスクを低減させる方法(テクニック)があるのと同じように、不動産投資においても、リスクを軽減させる手段はあります。

不動産投資を行われるのであれば、そのようなテクニックの活用も検討されるべきでしょう。

そのような努力をしっかりと行う事によって、始めて、不動産投資を成功させている人と同じ土俵に立てる、とすら言えるかもしれません(リスクがゼロになる事は原則ありませんので、その点は十分にご理解下さい)。


ただし、そもそもですが、投資をされる際には、「自分は、どのくらいの金額を投資して良いのか」や「どのような投資が自分には合っているのか」といった点については、しっかりと検討し、その上で、投資の世界に踏み出される事をお勧めします。

この記事で強調したい事は、あくまで、その検討において、「不動産投資も一つの投資対象として候補に入れて頂いて問題ないと思いますよ」という事に過ぎません。

投資を無理に行う必要はありませんが、前述の通り、「投資をしない」という考え方にもリスクはあります。

投資をしてみようかな、と思われた方は、ぜひ、不動産投資も含め、ご自身にあった投資について十分に検討される事をお勧めします。

なお、ご自身で検討を行うのが難しければ(残念ながら、日本では投資に関する教育が遅れている現状があります)、中立の立場でアドバイスしてくれる専門家にアドバイスを受けた上で投資に取り組まれる事もご検討下さい(基本的に、相談相手としてはFPをお勧めします)。


※不動産投資を候補に入れた投資を検討される場合には、不動産投資に詳しい専門家への相談をご検討下さい(FPにより得意とする領域は異なりますので、不動産投資に詳しくないFPもいます)。不動産投資に関する相談相手をお探しの場合には、当社が運営に携わっている不動産投資相談サービスをご紹介させて頂きます。

※本文中でも明記している通り、不動産投資にはリスクがあります。投資(不動産投資を含む)を行われる際には、十分に情報を確認し、ご自身の責任で行って下さい。