意外と知られていないようなので、「次の(2020年の)夏セールが、オリンピックによって中止になる(または、影響を受ける)かもしれない」という話について。
「今回は買うのを見送って、次のセールで買おうかな」と考えている人は、ぜひ、一読を。
一部メディアが報じるところによると、
「東京都や大会組織委員会、国土交通省などは、セールなどの販売促進企画を大会期間外にずらすよう、経団連など500超の業界団体に要請文書を出した。」
のだそうです。
なお、期間は「五輪(オリンピック)期間前後の20年7月20日~8月10日とパラリンピック期間となる8月25日~9月6日」。目的は、「2020年東京五輪(オリンピック)・パラリンピックの本番時に交通渋滞を緩和するため、物流などの車両利用を抑え、渋滞の削減を目指す」という事です。
※上記引用は日経電子版より(一部修正)。
オリンピック・パラリンピックを成功させるという観点から、要請の意図は理解出来ます。
しかし、「セールをいつ行うか」は、企業にとって極めて重要な事です。適切な時期に行わないと、利益計画が大幅に狂ってしまいます。
過去には、一部の百貨店がセールの時期を独自にずらす事を発表しただけで、大きな騒ぎになったほどです。
ですから、要請自体は「セールの時期をオリンピックの期間外にずらせ」という内容ですが、「変な時期にセールをしても、意味がない」と考え、結果、「そもそもセールが出来ない(しない方が良い)」と考える企業が出てくるかもしれません。
また、企業は、セールを前提として「在庫量」を四苦八苦しながら決めています。
もし、セールが制限された場合には、そもそも、「商品の生産量を減らそうとする」動きが出る事も想定されます。
すなわち、
・セールになるはずの商品が、来夏はセールにならないかもしれない
・セールが出来ないので、次の春~夏に向けた商品の「種類」も「量」も減るかもしれない
といった事が予想されます。
ですから、こうした予想をもとに、一般消費者の方にアドバイス出来るのは、
「来夏のセールで買う予定のもので、今、買えるものがあるならば、買っておいた方が良いかもしれない(特に、今冬のセールで買えるならば、良いかもしれない)」
という事です。
冒頭で取り上げた要請については、企業からも一般消費者からも反発が出るでしょうから、実際のセールに関する運用がどうなるかは解りません。しかし、その方向で世の中が動いている、という事は知っておいて頂いて損はないと思います。
今ならば、キャッシュレス・ポイント還元もありますしね(6月末で終了予定)。
以上、経営の視点を少しだけ活用した、一般消費者の皆さまへの情報提供でした。