ビジネスコンサルティングの現場から

各種ビジネス・コンサルティングに携わる担当者が、日頃、「考えている事」や「気が付いた事」を不定期に発信します。

ロゴに関するロゴタイプやロゴマークなどの用語についての豆知識

ロゴタイプやロゴマークについての打ち合わせ


昨日お知らせさせて頂いた通り、当ブログでもアイコンを設置しました。

このアイコンを検討する過程においては、難しい言い方をすれば、「このブログに関するCI(コーポレートアイデンティティ)的な検討を行った」わけですが、打ち合わせを進める中で、「ロゴ」について、意外と知られていない事があるように感じましたので、少しだけ紹介してみます。

CIや自社ブランドに関する社内外との打ち合わせの際に知っていると、一目置かれたり、誤解を避けられたりするかもしれません。


ロゴに関する専門用語を理解する重要性

皆さまは、会社や商品を表す文字や形を、日常、あちこちで目にされていると思います。

恐らく、そういったものを「ロゴ」とか「マーク」とか「アイコン」とか様々な言葉で呼ばれていると思いますが、それぞれの正確な意味を意識された事はありますでしょうか。

普通は、そんな事を考えなくても、日常会話は成り立ちます。

「あの商品のロゴって格好良いよね」

「あの会社のマークって面白い色だよね」

で、問題ありません。

これが、こういったもの自体を扱う「仕事の打ち合わせ」となると、そうはいきません。

それらの用語が指すものを正確に理解(というよりも、その場にいる人が共有)していないと、打ち合わせが成り立ちません。

そこで、まず、最低限、知っておくべき用語を紹介したいと思います。

なお、ここからの説明を解りやすくする為に、ここからしばらくの間、一旦、会社や商品を指し示すイメージ(画像)全体の事を、「ロゴ」と呼ばせて下さい。

ロゴタイプとロゴマークとは

さて、日本で、こういった分野の専門の人達と打ち合わせをする時には、知っておいた方が良い専門用語があります。

それが、「ロゴタイプ」と「ロゴマーク」という用語です。

ロゴタイプについては、初めて耳にされる方も多いのではないでしょうか。

日本で行われる打ち合わせでは、大凡、こんな意味合いで使われます。

 

ロゴタイプ:
ロゴのうち、文字で表される部分。要するに、会社名や商品名の文字部分ですね。
多くの場合、色が付いていたり、文字の形が少し凝っていたりして、普通の文章で使われる文字とは違うものになっています。

ロゴマーク:
ロゴタイプに、文字以外の図形(シンボルマーク)を加えた全体(ロゴタイプ+シンボルマーク=ロゴマーク)。
ただし、文字で表される部分以外のシンボルマークの部分のみを指して使う人もいる(この場合、ロゴタイプ+ロゴマーク=ロゴ全体)。

※一応、お断りしておきますと、これらは、日頃の経験から書いているので、業界の権威の方の定義とは異なるかもしれません。

なお、シンボルマークがないロゴタイプ部分だけのロゴを採用している会社や商品もあります(この場合、ロゴタイプ=ロゴ全体)。

 

既に、少しややこしいですよね。

ここで押さえておいて頂きたい事は、打ち合わせなどで、「ロゴ」や「ロゴ〇〇〇」という単語が出てきた場合、「その用語が何を意味するのか?」という事には敏感になった方が良い、という事だけです。

人によって定義が曖昧である以上、質問して確認するしかありません。

ちなみに、シンボルマークは、ロゴ全体を表示する時には、ロゴタイプ部分の左や下にセットされる事が多いと思います。そして、このシンボルマークが広く認知されると、シンボルマークだけで、会社や商品を表している事が理解して貰えるようになります。

ロゴタイプとロゴマークの面倒な話

ここからは、ちょっとした豆知識です(特に海外と打ち合わせされる方向け)。

関心ある方は限られると思いますので、簡単に。

まず、「ロゴマーク」という用語は、海外では、まず通じません。恐らく、和製英語です。

次に、「ロゴ」「ロゴタイプ」という用語についても、要注意です。

日本では、ロゴタイプは、文字部分だけを指し示す用語として使われている事が多いですが、多くの海外の人にとっては、ロゴ=ロゴタイプです(というよりも、ロゴはロゴタイプの略として使われています)。

「ロゴ」と「ロゴタイプ」が違うものを指し示す、という前提で話を進めると、議論が混乱する場合があるでしょう。要注意。

ちなみに、辞書をチェックしてみた所、日本語の一部の辞典でも以下のようになっていますので、こうした用語を細かく使い分けているのは日本の限られた専門家だけなのかもしれません。

ロゴ〔logo〕
会社名やブランド名などを図案化したマーク。ロゴタイプの略。ロゴマークとも。
(新明解国語辞典 第七版)

ロゴに関する用語の曖昧さについて少し補足

ただ、少しだけ補足しておくと、ロゴには本当に様々なパターンがあり、ちょっと凝ったものだと、文字から派生してはいるが、既に文字としては読めないようなものがあったりもします。

おまけに、ロゴに会社のビジョンや標語のようなものが含まれていたり、使う場所によって微妙に変化させて使う事が定められているような複雑なロゴがあったりもします。

このような、ややこしい事情を踏まえると、用語が指し示すものが曖昧になったり、人によって差が出てしまっているのも、仕方がないのかもしれない、と思ったりもします。

ロゴの重要性について

最後に、ほとんどの方は良くご存じだと思いますが、独自のロゴを用意する必要性(重要性)について、簡単に書いておきます。

まず、会社名や商品名を覚えて貰えないような場合でも、ロゴならばハードルは下がります。図案を凝ったものにする事で、「この会社名や商品名は覚えていないけど、このマークは見た事がある気がする」という状態を造り出す訳ですね。

また、日本においては、同名の会社名や商品名が複数存在する事は珍しくありません。

「法律で、同じ会社名や商品名が存在しないように保護されている」といった理解をされている方もいらっしゃいますが、現実には、「かなり限られた範囲内や条件下でのみ、同じ会社名や商品名が存在しないように保護されている」と言った方が正確です。

この為、同じ会社名や商品名であっても、「うちとあそこは違う」という事を明確に示せるようにした方が良い訳です。その為に、ロゴは活用出来ます。

逆に、グループ会社の場合、親会社と子会社は社名が違ったりもします。そういった場合でも、同じロゴを使う事で、「この会社は、〇〇という会社と関係がある会社である」という事をアピールする事が出来る訳です。

ちなみに、これは、ある会社が複数のサービスを提供している場合でも当てはまります。サービスを説明するロゴの一部に、会社のロゴを入れておく事で、その会社のサービスである事を簡単に表明する事が出来ます。

あまり良い例ではないかもしれませんが、例えば、当社が経営者向けに行っているファイナンシャルプラニングに関するサービスを紹介するホームページは、「吉田総研のFP」として情報を公開していますが、このタイトル名に含まれる会社名の部分で、本体と同じロゴタイプを使う事で誤認が防げるようにしています。

 

以上、ロゴに関する、ちょっとした豆知識でした。