ビジネスコンサルティングの現場から

各種ビジネス・コンサルティングに携わる担当者が、日頃、「考えている事」や「気が付いた事」を不定期に発信します。

「一点突破型の選挙公約」を電化製品のシェアの歴史から考える

選挙の投票のイメージ

選挙がまた近づいてきていますが、今回の選挙公約を確認していて、一点、感じた事があります。

 

それは、

「一点突破型の選挙公約を掲げている党が多い」

気がする、という事です。

 

「一点突破型」というのは、自党の主張を一つに絞っている状態を指しています。ちなみに、私が選挙公報を読んでいて、そのように感じて命名しただけですので、選挙の世界での用語としては、きっと通じないだろうと思います。

もちろん、大政党では、そんな事はなく、バランス良く複数の公約を掲げている所が多いように思います。こうした一点突破型の公約を掲げているのは、やはり、ゼロからの参入を目指しているような党であるように思います。

ただ、こうした一点突破型の公約は、地方選ではこれまでも見られたものの、国の代表を選ぶ国会選挙で、ここまで目立つのは珍しいのではないか、とも感じました。

そして、この一点突破型の公約について、経営の視点から一つ気づいた事もあります。

ですので、少しだけ、この点を取り上げてみたいと思います。

なお、どんな候補・政党を選ぶのかは、各有権者の自由ですので、勿論、ここで何らかのお勧めをする気はありません。

しかし、もしかすると、この「一点突破型の公約を掲げている候補や党を、どう考えれば良いのか」という事についての参考にはして頂けるかもしれません。。

一点突破型の電化製品によるシェア獲得

さて、私が気づいた事ですが、「主要な党が、バランス良く選挙公約を掲げている中で、一点突破型の選挙公約を掲げている党が出てきている状況」というのは、

「日本の家電製品のマーケットにおいて、一点突破型の新製品が発売された状況に似ている」

かもしれない、という事です。

 

少なくとも、私は、そう考える事で、少し検討がしやすくなったように思います。

ご存じの方も多いでしょうが、日本の家電マーケットにおいては、戦後、日本の複数の家電大手がシェア争いを続けてきた歴史があります。

その中で、ユーザーが求めるニーズに対応し、各社は、「あれも」「これも」と機能を付け、また、サイズや色、価格などに至るまで、総合的な満足感が得られる製品を世に送り出してきました。

しかし、ある時から、そうしたマーケットの中に、「一点突破型の製品」が現れてきました。

具体的な製品名を出すと、その新規参入の成否から、あまりに生々しくなってしまい、今回の選挙に関して、どこかの候補・党に肩入れしているような記事にもなってしまいかねません。

ですので、申し訳ないのですが、今回は、具体的な例は避けさせて頂きます。

ただ、参入に成功した新顔がいる事は、皆さまもご存じではないでしょうか。

そうした製品は、総合力では既存の製品にかなわない(または、最初から勝負しようとしていない)ものの、デザインだったり、基本性能の一つだったりに特化して、一定のシェアを獲得する事に成功しています。

この時、参入される側の企業では、「自社の製品より劣っている部分(要素)が多い○○(新顔の製品)に、自社の製品が負けるはずがない」と、足りない機能や要素がある事を原因に、競争相手として十分に認識していなかったケースがある、と聞いています。

これまでの製品開発の考え方からすれば、大手メーカーが、そういった考え方をしたのは不思議ではありません。

一点突破型の電化製品と選挙公約

しかし、実際には、一定のシェアを獲得する事が出来た「一点突破型の製品」は存在します。

もちろん、成功事例ばかりではありません。一点突破を狙って、失敗してしまった会社・製品も存在します。

それぞれのケースごとに、「成功の理由」「失敗の理由」はあるでしょうが、少なくとも、「総合力で負けても、ユーザーに選ばれた理由」「ある部分では既存製品に勝てていても、ユーザーには選ばれなかった理由」はあったのだろうと思います。

皆さまご自身でも、製品を選ぶ際に、

「多くの部分では他製品より負けているが、この製品を選ぼう」

とお考えになったり、

「この部分では、この製品は素晴らしいが、やはり、総合力で優れている他製品を選ぼう」

などとお考えになったりした事はあるのではないでしょうか。

ですから、それぞれ、「なぜ、そのような思考に至ったのか?」という事を思い出したり、ご自身なりに分析して頂くと、

「今回の一点突破型の選挙公約を、自分自身がどう考える(扱う)べきなのか?」

という事を考える上での一助に出来るかもしれません。

繰り返しますが、どの党(候補)に入れるかは、皆さま一人一人の自由です。

結果、素晴らしい将来を築いてくれる候補が選挙で選ばれる事を願っています。