ビジネスコンサルティングの現場から

各種ビジネス・コンサルティングに携わる担当者が、日頃、「考えている事」や「気が付いた事」を不定期に発信します。

銀行の手数料を節約したいなら、今のうちに口座を新規開設すべきかも

銀行の手数料を節約する

今日は、

銀行の手数料を節約したければ、今のうちに銀行口座を多めに作っておいた方が良いかもしれない

という話について。

知っている人は当たり前のように知っている話ですので、最初に結論(理由)から。

・今後、銀行口座は開設し辛くなるかもしれない

・銀行口座の維持にも、手数料がかかるようになるかもしれない

・ただし、今、開いておいた銀行口座には、特典があるかもしれない

・また、他行への振り込み手数料は、今後、上がる見込みである

・しかし、同じ銀行内の振り込みについては、手数料は上がらない見込みである

以上の事実・予想から、手数料(振込手数料、維持管理手数料)を節約したい方は、

「銀行口座を今のうちに開設しておいた方が良いかもしれない」

という提案ができる、というお話です。

今後、銀行の手数料は上がるものと下がるものがある

ご存じの方も多いでしょうが、今、銀行の収益基盤は大きく変わろうとしています。

従来通りの商売(預金を集めて、企業に貸して、利息の差で儲ける)という商売は、かなり成り立ちづらくなっています。

また、犯罪対策などの点でコストが追加でかかるようになる一方、IT化が進み、一部の業務コストは大幅に下がるようになりました。

こうした背景から、銀行は、自分達が提供するサービスに関する「料金見直し」とでも言うべき作業に着手しています。

手数料がダウンする予定の銀行の手数料と原因

既に値下げ(無料化)を実施している銀行もありますが、「同じ銀行内」での振込に関しては(=振込先の相手の口座が、自分と同じ銀行にある)、振り込み手数料は下がり始めています。

昔は、振り込み一つでも結構な手間をかけていたのですが、今は、コンピューター上の数字データを置き換えるだけ、という作業になりました。

銀行からすれば、別に外部に資金が流出する訳でもないので、ほぼコストゼロで処理できる業務へと変化したのです。

ただし、これは、顧客がネットバンキングで処理してくれた場合に限ります。

ですから、ネットバンキングでの振込に限定したケースが多いようですが、銀行は、振込手数料を下げる方向で動いています。

手数料がアップする予定の銀行の手数料と原因

逆に、料金が上がるであろう対象サービスも明確になっています。

まず、「窓口や電話で人が対応しないといけない業務」については上がる方向です。

その他にも、先ほど挙げたような「自行内で完結する」業務の逆で、「他社・他行が関係するもの」は上がる可能性があります。

そして、特に、この記事で扱いたいのは、

「他行への振込手数料」

です。

まだ正式には発表されていないようですが、「振り込み1件あたり、1000円以上」の価格設定になっていくのではないか、とも言われています。

金利がほとんどつかない中で、1000円の手数料とは…と思われる方も多いのではないでしょうか。

振込手数料を節約するためには

もうお解りですね。

・同じ銀行内の振り込み手数料は下がりつつある

・違う銀行への振り込み手数料は上がる予定

この2つから導かれることは、簡単です。

振り込み先がある銀行に、自分も銀行口座をつくっておいて、そこから振り込めば、振り込み手数料は節約出来る可能性が高いのです。

ただ、この事実自体は、これまでも通用した節約方法でした。

わざわざ、この記事で取り上げる必要は低いと言えるでしょう。

それでも、わざわざ、この記事で取り上げる事にした理由は、「今のうちに」、銀行口座を作っておく価値(必要性)があるからなのです。

※正確には、「価値がある可能性がある」と言うべきかもしれませんが。

その理由は2つあります。

今後、銀行の口座は作成し辛くなる

まず、1つめ。

実は、銀行にとって、個人顧客の口座(預金)は有り難いものではなくなってきています(昔は、預金してくれる事は非常に有り難いことだったのですが)。

その理由はいくつかありますが、

「預金を集めても、運用先がないので利益に繋がりづらくなった(金あまり)」

にも関わらず、

「預金を維持する為のコストはかかる」

からです。

そして、更に、最近は犯罪対応の観点から、コストがかかるようになってきました。

この為、今後、新しい口座を開くのは難しくなる見込みなのです。

今後、解説する銀行口座には維持費用がかかる

そして、2つめ。

コストアップに対応する為に、銀行は、

「口座の維持、そのものに関する費用」

を、今後、徴収するようになる可能性が高いのです。

実際、メガバンクの一行である三菱東京UFJ銀行は、2020年10月にも、「口座管理手数料」を導入する予定である事を発表しています。

しかし、この費用徴収、少なくとも、三菱東京UFJ銀行は、口座管理手数料導入「後」に作成された口座のみを対象とする、という方針を発表しています。

もうお解りですね。

今のうちに口座と作っておくと、メリットがある訳です。

※将来的には、既存口座も手数料の対象にはなる可能性はあるでしょうが、一定期間、優遇される事は間違いないでしょう。

節約したいなら銀行口座を作っておきましょう

このような事情から、銀行の手数料を節約したい方は、今のうちに銀行口座を作っておいた方が良いかもしれない、という冒頭のご提案になる訳です。

余談ですが、銀行業界は、昔から「横並びの体質」が強いと言われています。

最近は随分と変わったとも言われていますが、ある一行(会社)が何かを導入すると、他の銀行も追随するのは早いかもしれません。

今後の各行の発表にも要注意です。

※なお、この記事で取り上げた口座管理手数料についてですが、三菱東京UFJ銀行は、「不稼働口座(休眠口座)に対してのみ費用徴収する」と発表しています。ただし、海外では、稼働口座(普通に使われている口座)に対しても手数料がかかる事が多いので、今後、日本でも、そういった費用が一般的になっていく可能性は十分にあると思われます(一部の銀行は既に導入しています)。