新NISAが始まって、まだ数ヶ月しか経っていませんが、
「NISAの投資対象が国内株式に絞られる」
という可能性を指摘する声が出ています。
と言いますのは、
NISAをつくる時に参考にしたと言われている英国の制度であるISAにおいて、
「投資対象を英国企業の株式に絞る」
という方針が検討されているからなのです。
ですから、日本でも同様の方針が議論されるのではないか?と考える人がいて、そのような声が聞こえてきている訳なのです。
もっとも、ISAで検討されているのは、「年間の非課税投資枠を引き上げ、その引き上げた分については、投資対象を英企業の株式に限る」という内容なのですが。
それでも、「投資対象を自国の株式に限定する」という内容が検討されているのは事実であり、それなりに衝撃的な話ではあります。
ちなみに、そのような方針が検討されている理由は、関係者に「英国は自分自身に投資していない」という問題意識があるからだと報道されています。
そして、そのような英国の事情は、日本でも同じである可能性は高そうです。
新NISAの投資対象についてのアンケート結果などを確認すると、「海外株式に投資する投資信託が人気である」という結果が出ているものが多いようですので。
おまけに、日本においては、海外投資が進んでいる事により、円安傾向まで助長されているのではないか、という声まであります。
ですから、「こんなはずではなかった」と考えている政府関係者がいたとしても不思議ではないようにも思います。
もちろん、政府が掲げているNISAの目的の一つは、「家計の安定的な資産形成の支援」ですから、投資対象を絞るのはあまり好ましい事ではありません。
前述の英国のISAの検討においても、同様の声は挙がっているようです。
しかし、国(と地方自治体)にとって、NISAは減収となる可能性のある制度です。
特に、新NISAへの制度拡充は、関係者も驚くほどの大盤振る舞いでした。
だからこそ、制度の見直しを懸念する声も出てくるのでしょう。
更に言うならば、実は、NISAで投資できる対象は、既に大きく絞られています(例えば、個別債券や公社債投資信託(債権のみで運用する投信)などには投資できません)。
そのような事情を踏まえると、「今後、NISA制度の制度変更はありうるのではないか(投資先が更に絞られるのではないか)」という懸念は、より現実的なものに感じてしまう気もします。
もっとも、一度始めた制度を変えるのも大変ですし、国内の株価対策の必要性も現時点では低いと考えられます。
ですから、短期的には、そのような動きがあるとは考えにくいようにも思います。
ただ、将来的な事は解りませんので、新NISA制度を活用して投資をお考えの方は、このような懸念がある事については、知っておいて損はないかもしれません。
※本稿は投資を勧めるものではありません。また、将来の制度変更についての何らかの情報をもとに書かれているものでもありません。あくまで、海外の情報をもとにした噂と、その噂の根拠についてご紹介させて頂いているのみです。