最近、コンビニ加盟店オーナーの、
「24時間運営を本部から強制されて困っている」
「自由に値下げが出来ずに困っている」
といった声が良く取り上げられています。
本部と対立してしまい、そのコンビニチェーンの店舗として運営出来なくなってしまったケースまでニュースで取り上げられています。
実は、このような動きを見て、違和感を感じています。
もちろん、一個人としての感情としては、加盟店オーナーの気持ちも良く分かります。
しかし、フランチャイズ契約は、「本部と加盟店が対等の立場で契約した」という前提があります。
ですから、「本部からの指示(指導)が、契約の範囲内なのであれば、従わざるを得ないのではないか」と考えてしまうのです。
もし、契約以上の事を本部から求められているのであれば、毅然として本部に立ち向かえば良いでしょうし、それで損害を被るような事があれば、本部に損害賠償を申し立てれば良いでしょう。
もちろん、労働者と雇用主の関係のように、「両者の力関係が歴然としている」という意見があるのも理解はしています。
もし、そういう前提に立ち、また、フランチャイズ契約が労働契約と同じように、「社会にとって無くてはならないものである」という立場に立つのであれば、法律等で、別途、保護する事も検討はするべきなのかもしれません。
※ちなみに、アメリカなどでは、フランチャイザー(本部)がフランチャイジー(加盟店)に価格などを強制する事については、かなり強力な制限がかかっています。日本でも、独占禁止法等で一定の規制は存在します。
しかし、フランチャイズ契約は強制されてするものではありませんし、加盟店側も、うまくいけば「自分が大きく儲かる」と思って契約した訳でしょうから、あまり強い保護をする事にも違和感があります。
そして、加盟店の側に一つ言いたいのは、
「本部に不満があるなら、『ほっともっと』を見習ってはどうか?」
という事です。
ご存じない方の為に説明しておくと、以前、「ほっかほっか亭」という全国に展開する弁当チェーンがありました(今でもあります)。しかし、ある日、そのかなりの割合の店舗が「ほっともっと」という店に変わってしまったのです。
一言で言えば、それまでフランチャイズで運営していた企業が、本部から独立してしまった訳です。
フランチャイズ契約が、「企業と企業の対等の関係」である以上、本部に不満があれば、そういった事も可能な訳です。
独立の他にも、
「加盟するフランチャイズチェーンを切り替える」
という手もあります。
実は、コンビニ業界でも、加盟店が他のコンビニチェーンに鞍替えした事例は実際に存在します。
特に有名な事例としては、「四国の100軒以上のサンクス店舗が他チェーンに切り替わった」というものまであります。
そもそも、一消費者として見る限り、フランチャイズチェーン本部が加盟店側に指導している内容の多くは、消費者の利便性と合致しているように感じます(コンビニにおける在庫処分の制限などについては、利害が一致しないように感じる所もあります)。
そういう意味では、加盟店は不満を持っていたとしても、「本部の指導」に一定の意味はあるのでしょう。
もし、加盟店側で不満があるのであれば、まず、その指導が契約と照らし合わせてみて、従うべきものなのかどうかをしっかりと検討してみて頂きたいと思います。
そして、必要に応じて、本部側と交渉する事を考えて頂きたいと思います。
その上で、本部と意見の一致を見ないようであれば、単に不満を言うではなく、この記事で取り上げたように、「独立する」や「加盟するチェーンを切り替える」といった行動も視野に入れて頂きたいと思います。
または、多くのフランチャイズ加盟店をまとめあげて、政府に一定のルールをつくるように働きかける、という事を検討しても良いのかもしれません。