ゴミ処理に関係している方から、ちょっと面白い話を伺ったので、今日は、そのお話を短めに。
昨年7月のレジ袋有料化(容器包装リサイクル法の関係省令改正)に代表されるように、「プラスチックのゴミをいかに減らすのか?」という話題は、昨今、良く取り上げられます。
そして、自治体によっては、プラスチックのゴミは、一般ゴミ(可燃ゴミ)とは分別して出す事になっています。
私も、そういう地域でゴミを出す際には、頑張って分別をしてきました。
しかし、「分別して回収されたプラスチックのゴミ(廃プラ)の多くは、実は焼却されている」という話は以前から聞いており、なんとも不可解な思いはしておりました。
ですので、先日、ちょうどゴミ問題に詳しそうな方に会ったので、
「プラスチックのゴミって、普通のゴミと分ける必要あるのですか?」
と聞いてみたのです。
そうすると、その方からは、
「そりゃ、キチンと分別してくれた方が良いよ」
という回答が。
やはり、そうなのか…と思ったのも束の間、その方からは、驚くべき一言が続いて発せられたのです。
「プラスチックのゴミがなくなったら、困るじゃないか」
聞き間違いかと思って、聞き返してしまいました。
「プラスチックのゴミが、一般のゴミに混じっていると困るって事ですよね?」
そうすると、その方からは、次のような回答が。
「違う違う。プラスチックのゴミは大事なんだよ。ちゃんと分別してあった方が良いんだ。」
良く解らなくなったので、その後、じっくりと説明をお聞きする事にしました。
お聞きした内容を私なりにまとめると、どうも、こういう事のようなのです。
・生ゴミだけを焼却するのは難しい(燃えづらいのだそうです)。
・この為、焼却する際には、生ゴミと他のゴミを混ぜて燃やしている。
・その一方、プラスチックのようなゴミは燃えやすいので、あまり多く混じっていても、焼却炉が痛むなどの問題が起きる。
・この為、適切に燃やす為に、高度な計算をして、燃やすゴミの内容はコントロールしている(炉内の温度が下がったりすると、有害物質が出たりもするそうです)。
・だから、プラスチックゴミは必要だが、分別してあった方が良い。
・なお、もし十分なプラスチックゴミがない場合には、他のもの(油など)を入れて、生ゴミを適切に焼却できる環境を維持しないといけなくなる。
何とも複雑ですが、結論としては、「プラスチックゴミは必要だが、分別はされていた方が良い」という事になるようです。
確かに、その方が最初におっしゃっていた通りの事でした。
※実際には、自治体によって、ゴミの処理方法はかなり多様です。この為、ここで書かれている内容は当てはまらないケースも多いようです。少し調べただけでも、プラスチックゴミと生ゴミは混ぜて焼却していない、と明言されている自治体がありました。
そして、この話を聞いて、私は「会社の中でも同じような話はあるな」と思ってしまいました。
すなわち、「無駄と思われているものでも、実は、重要な役割を果たしているものはある」。
(今回のゴミ問題だと、減らすべき対象とだけ思っていたプラスチックゴミが、実は生ゴミを燃やす為には必要だった)
または、「あるものを無くすためには、先に、他のものを無くしておかないといけない」。
(今回のゴミ問題だと、プラスチックゴミを減らす為には、先に生ゴミを減らすべき)
など。
皆さまも、何かしら思い出される事はあるのではないでしょうか。
会社の問題もゴミの問題も、なかなか簡単には解決が出来ないようです。
ちなみに、ゴミについて回答して下さった方は、別れ際、
「とはいっても、そもそも、プラスチックゴミは多すて、足りなくなるなんて事は考えられないんだけどな」
と笑っておられました。
ゴミ処理をどうするべきかはともかく、減らせるゴミを減らした方が良いのは間違いなさそうです。
そりゃそうですよね。