皆さまは、
「企業の経営判断」と「ペットへの愛情」に関係がある
と言われたら、ピンと来ますか?
普通、考えもしない視点でしょうから「ちょっと面白いかな」と思い、今日は、このお話を。
経営者の方にとっては、ギクっとする内容かもしれません。
企業の経営者は様々な経営判断をしないといけません。
厳しい決断をしなければならない時もあります。
それでも、企業の将来の為に、冷静に、自分の感情に惑わされず、そして、合理的に判断をする事が求められている、と言えるでしょう。
これが経営判断を取り巻く環境です。
その一方、ペットを飼うという判断は、一見、合理的な判断ではないようにも思えます。
餌や医療などの為の経済的な負担、散歩の手間など、様々な負担を飼い主に強います(ペットの種類にもよりますが)。
それでも、沢山の人が「かわいいから」などの理由でペットを手放せないでいます。
もちろん、一度、ペットを家族同様に感じてしまえば、経済的な負担など関係なく、ペットを手放したくないと思う気持ちも良く解ります。
また、癒やされる、ペットから学ぶ事もある、など様々なメリットもあることでしょう。
実は、これに通じるものが、経営の現場でも見られる事があるのです。
一番、解りやすいのは、「不採算部門を閉鎖する」といった判断を経営者が行う時です。
もうお解りでしょうか。
例えば2つの部門があって、どちらかの部門を閉鎖しないといけない、といった状態になった場合に、「どう考えても合理的ではない」と思われる判断を経営者がしようとする事があるのです。
また、そこまではいかなくても、特定の部門に対して、甘い評価をしたりするケースを目にする事もあります。
そして、その理由を分析してみると(経営者自身が自覚しているケースもあります)、
「その部門が、かわいいから」
といった理由であったりするのです。
そして、
「駄目な部門ほど、経営者のご機嫌取りに必死」
だったりもするのです。
稼いでいる部門は、目先のビジネスで忙しく、下手をすると、経営者に「放っておいて欲しい」とすら思っていたりもします。
そして、その結果、経営者は、
「駄目な部門ほど、かわいい」
といった感情を抱いてしまう事があるのです。
もちろん、その感情を抑えて、冷静に経営判断が出来れば良いのですが、一部の経営者は、そうした感情に影響を受けて経営判断をしてしまいます。
経営者の皆さま、ペットをかわいいと思うのと同じように、特定の部門をかわいいと思うのは仕方がないかもしれません。
しかし、度を超えて、その感情に引きずられた経営判断をしないようには、お気を付け下さい。部下を含め、周囲は意外と良く見ています。
また、一般の方は、腑に落ちない経営判断が行われているように感じられたら、こうした可能性も想定してみて下さい。意外と納得出来てしまうケースがあるかもしれません。
さて、ここで終わっても良いのですが、ここまで読んで頂いた方の為に、もう少しだけ。
もしかすると、お気づきかもしれませんが、こういう考え方もあります。
ペットを飼うという判断は一見、合理的ではないように思えても、実は、「癒やし」などの実利があるので、合理的と考える事もできます。
という事は、
「経営者が、ダメな部門を救う事にも、同様に、経営者が気分が良くなるという実利があるのだから、間違った判断とはいえないのでは?」
という理屈が成り立つのかもしれません。
もちろん、そのような理屈で動いている会社の将来がどうなるのか、や、そのような会社で働きたいと思うかどうか…は別にして、ですが。