ビジネスコンサルティングの現場から

各種ビジネス・コンサルティングに携わる担当者が、日頃、「考えている事」や「気が付いた事」を不定期に発信します。

愛煙家の権利を守る事と若者の健康を守る事は両立できるかもしれない

国会と禁煙

『愛煙家の権利を守ること』と『若者の健康を守ること』が両立出来る」と言われたら、皆さまはどのようにお感じでしょうか。

または、「愛煙家が自分たちの権利を守る活動を行う事で、若者の健康に貢献できる」と聞かされたら、どうでしょうか。

先日、愛煙家と嫌煙家が喫煙について議論し、かなり険悪な雰囲気となる場面に居合わせました。

その状況の中で、何とか妥協点を探したところ、「お互いが合意出来る喫煙問題への対応策」が一つだけ見つかりました。

愛煙家と嫌煙家の対立は長く続いており、今回のケースのように、険悪なムードになる事も珍しくありません。

そのムードを和らげる為にも、両者が歩み寄れるポイントを見つけておく事は有益であるように思います。

この為、今日は、その時に辛うじて両者で合意できた「喫煙問題への取り組み案」について紹介させて頂こうと思います。

なお、最初にお断りしておきますが、この記事は、愛煙家と嫌煙家のどちらにも肩入れするものではありません。


政府(厚生労働省)は、2022年度までに喫煙者の割合を12.2%にまで下げるという目標を発表しています。

言うまでも無く、このような目標が生まれた背景にあるのは、「煙草が健康に悪い」という研究結果でしょう。

そして、「煙草の煙は、(本人だけではなく)まわりにも迷惑をかける事がある」という研究結果もあり、それを根拠に、嫌煙家は「煙草の被害をなくしたい」と主張します。

その一方、愛煙家は、自分の健康に被害があるとしても、それは「自分の責任で行う事だから放っておいて欲しい」と主張し、また、昨今の喫煙スタイルの変化なども踏まえ、「周囲への健康被害は限定的なものである」と主張している事が多いようです。

これらの主張は、先日の愛煙家と嫌煙家の主張そのものでした。


日本においては、個人の自由は最大限、尊重されるべきです。同時に、自分の健康が他人によって害されない権利も最大限に尊重されるべきです。

この為、これら主張の対立に決着を付ける事は容易ではありません。

しかし、ここでは、その点については置いておきましょう。

なぜならば、既に、日本は「喫煙者の割合を下げる」と決めているからです。

ですから、愛煙家の皆さまがどのようにお考えであろうと、政府は、その方向性で動いていく事になります。

そして、「数字目標の達成が難しい」という事になると、今よりも厳しい施策が実行されてしまう可能性すらあるのです。

もしかすると、今のように、「吸える場所が制限される」や「禁煙したい人の為のサポートが行われる」といった施策だけでは済まないかもしれません。

愛煙家の皆さまは、まず、現状がこういう状態である事をご理解下さい。


そして、嫌煙家の皆さま。

皆さまが声を上げ続けた結果、タバコを吸いにくい時代を作る事には成功しました。しかし、未だゼロ%への道は全く見えません。

仮に、前述の数字目標が達成されたとしても、未だ相当な人数の日本人がタバコを吸っている事にはなります。

このままでは、皆さまの周りから煙草の煙が消える日は来そうにありません。


さて、ここで、先日の愛煙家と嫌煙家が合意出来た案を発表します。

その案とは、

現時点で、未だ煙草を吸った事がない人の、今後の喫煙を禁じる」

というものでした。

今後、喫煙者が増えなければ、自然と日本人の喫煙率は下がります。

加えて、自発的な禁煙が進めば、2022年は無理でしょうが、数字目標の達成は実現に近づくでしょう。

結果、少なくとも、「数字目標を達成する」という為に行われる施策の検討は行われないでしょうし、「愛煙家の皆さまへの禁煙化圧力」も和らぐ可能性があります。


そして、これは、嫌煙家の皆さまにとっても、悪い話ではないはずです。

今、タバコを吸っている人から煙草を取り上げるのは容易な事ではありません。

しかし、未だタバコを吸ったことがない人の「タバコを吸う権利」を奪う事については、そこまでの反対意見は出ないでしょう。

場合によっては、今、未成年の人たちの「これから吸えるという期待」すら保護して、まだ物心すらついていない人たち限定で、今後の「タバコを吸う権利」を奪っても良いかもしれません。

結果が出るのに時間はかかるかもしれません。しかし、時間と共に「タバコを吸う権利のない」人の割合は上がっていき、最終的に、日本の喫煙率ゼロ%は達成されます。


特に子供をお持ちの嫌煙家の皆さま。

皆さまの一番の懸念は、自分のお子様がタバコを吸い始めて、本人や周囲の健康を害す事ではないですか?

また、一緒にいる時間が長いであろう、年齢の近い友達・遊び相手のタバコの煙に巻き込まれる事ではないですか?

まずは、それが禁止される世界を目指してみてはいかがでしょうか。


先日、辛うじて合意できた喫煙問題への対応案は、このような内容でした。

実は、その場にいたのは経営者ばかりでした。

この為、この内容は、企業の目標達成の為の検討と同じような視点で議論を行う中で、自然に出て来た(まとまった)た内容だったりもします。


さて、愛煙家の皆さま。

自分たちの『タバコを吸える』という権利を守れるのは、皆さま自身かもしれません。

日本全体での数字目標がある以上、愛煙家の皆さまが守ろうとする権利は、「自分達だけ」の権利にしぼって頂いた方が良いかもしれません。

そして、愛煙家の皆さまが自分達だけが吸える権利を守ろうとする事は、結果として、若者の健康を守る事になる事に繋がるかもしれません。

すなわち、皆さまが自分の権利を守ると、結果として、嫌煙家からも感謝される事になるかもしれません。