AIの進歩はとどまるところを知りません。
先日、ChatGPTというサービスが質問に対して回答する所を見る機会があったのですが、高度な質問にも、かなり自然な日本語で回答していました。
このChatGPT、既に様々な所で紹介されていますので、ご存じの方も多いと思いますが、マイクロソフト社も投資している注目のAIです。
ただ、です。
検証してみると、このChatGPTが返す回答には、かなり「嘘(間違った情報)」が含まれていました。
これが、明らかに間違った情報が回答として返されていたり、日本語が変であれば、まだ笑えるのです。
しかし、今回のChatGPTの回答は、全体としては日本語もかなり自然で、回答も正しそうに見えます。
それにも関わらず、間違った内容が含まれているのです。
ですから、その間違いに気付くのは、かなり困難なのです。
この為、
「今後、AIが作成した間違った解説コンテンツが量産され、ネット上に出回る」
という可能性があるように思うのです。
そして、そのようなコンテンツをgoogleなどの検索エンジンが上位表示させてしまった場合、
「間違った解説を信じてしまう人が続出する」
という危険性があるように思われます。
※この危険性については、私以外にも指摘されている方が既にいらっしゃいます。
これは、由々しき事態です。
検索エンジンが、そのようなコンテンツを「この解説は間違っているから、検索結果から外そう」と正しく判定してくれれば良いのですが、実際には、そのような判断は難しいでしょう。
なにしろ、人間が見ても、一見、正しそうに見えてしまう内容なのですから。
であれば、この問題については、何らかの規制が必要だと思えてきます。
ネットを規制で縛る事が好ましい事だとは思いませんが、さすがに、この問題は見過ごせないように思います。
特に、悪意をもった人間が、「AIを使って、間違った情報を広めようとした場合」を考えてみると、対策は必須であるようにさえ思えてきます。
では、どのような対策が好ましいのか。
当面は、何らかのかたちで、「このページの情報は、AIが作成に関与していない」という事が証明されるような仕組みが良いのではないでしょうか。
もちろん、検索エンジンは、そういったページを上位表示させないように対応する必要があります。
※現在でも、googleの検索エンジンには、対象ページの信頼性をチェックする仕組みが組み込まれています。しかし、そのような仕組みには限界があるように思いますし、現在の仕組みが更に強化された場合、個人ユーザーが作ったコンテンツが無視される事にもなりかねないので、違う仕組みが好ましいと考えています。
具体的には、現在でも、ネットに関連する仕組みとして、
・ドメインの管理権限を持っている事を、googleなどに通知する仕組み(所定のファイルなどを所定の場所に設置したり、ドメインレコードに手を加えたりする方法などがあります)
・ドメインの管理者を公的なサーバーに登録する仕組み
などがありますので、そのような仕組みの延長線上に、「コンテンツ作成にAIが関与していない事を、誰かが責任をもって管理している」という事を証明する仕組みを構築するのが良いように思います。
ただ、そのような仕組みを作っても、悪意を持った人間が関与している場合、結局、その仕組みもAIを使った不正で無効化されてしまう危険性があります。
もちろん、そのような不正をAIで防ぐ事も可能でしょうが、こうなってくると、AI対AIの戦いとなってしまい、イタチごっこになってしまう事でしょう。
AIの進歩は大変結構な事なのですが、このような事が起きると、「ネットの情報は全く当てにならない」という将来が予想されてしまい、悲しい気持ちになってしまいます。
皆さまは、AIが作成する偽情報が蔓延するネットの世界、どうすれば防げると思われますでしょうか。